ソフトバンクのAI(人工知能)戦略について整理してみる。

ソフトバンクのAI(人工知能)関する取り組み

ソフトバンクのAI(人工知能)に関する取り組みを整理します。

AI戦略本部を新設(2017/4月)

2017年4月、ソフトバンクはAI戦略本部を新設しています。詳細については、以下の通り。

AI戦略本部

  • 2017年4月に新設
  • 深層学習の技術者30人など120人体制
  • AI戦略本部 = AI&データサイエンス部 + ビッグデータ統括部
  • 本部長は柴山和久氏(位置情報データ会社Agoop社のCEOを兼任)
  • 柴山本部長「深層学習などのAI技術者、データサイエンティストとも今の10倍は必要」

ソフトバンクブレインの導入(2016年7月)

2016年7月、ソフトバンクはSoftBank Brain(ソフトバンクブレイン)を導入しました。

SoftBank Brain

  • 米IBMのワトソンをベースに開発
  • SoftBank Brainを活用した業務は既に6つ以上ある
  • 今後、ソフトバンクが独自に開発しているAI技術「感情エンジン」と連携予定

子会社のディープコアがAIインキュベーション事業を開始(2018/1月)

2018年1月、ソフトバンク子会社のディープコアはAIインキュベーション事業を開始しました。詳細については、以下の通りです。

ソフトバンクグループ株式会社が100%出資する株式会社ディープコア(本社:東京都港区、代表取締役社長:仁木 勝雅、以下「ディープコア」)は、学生や研究者、起業家を対象に、AI(人工知能)分野に特化したインキュベーション事業(以下「本事業」)を開始しますので、お知らせします本事業では、AI分野、特にディープラーニング領域における優れた若手起業家人材を育成し、スタートアップ支援を行います。事業展開に当たっては、さまざまな教育研究機関や企業と連携しながら、共同プロジェクトの推進やスタートアップ企業育成につながる新しいエコシステムを構築し、ディープラーニングの社会実装※と起業家育成を目指します。まず、日本でディープラーニング領域の研究をリードする東京大学松尾研究室(研究室長:松尾 豊 特任准教授)と共同研究契約を締結し、企業との共同プロジェクトの実施や起業家育成を進め、今後、他の教育研究機関などにも連携範囲を拡大していきます。

参考:AIインキュベーション事業の開始について

ちなみに、ディープコアについて押さえておくべきポイントは以下の通り。

ディープコアの会社概要

  • 2017年9月に創設されたソフトバンクグループの100%子会社。
  • 元々は「汐留事業4号株式会社」という名称
  • 代表取締役は仁木勝雅氏
  • AI特化のインキュベーション事業を開始。ディープラーニングに特に注力。
  • 東京大学松尾研究室と共同研究契約を締結
  • 東京大学に近い本郷にコワーキングスペースを開設。NVIDIAの協力の下で用意したコンピューティング・リソースを提供

ソフトバンクのAI(人工知能)企業に対する出資・買収

ソフトバンクのAI(人工知能)企業に対する出資・買収は以下の通りです。

2017/5月:NVDIA(エヌビディア)

2017年5月、ソフトバンクは米エヌビディアへの出資を行いました。詳細については、以下の記事をご覧ください。

ソフトバンクグループが、自動運転技術の獲得にアクセルを踏む。複数のメディアが2017年5月24日、同社が自動運転の中核技術を擁する米エヌビディアの株式を約4000億円分取得していると報じた。ソフトバンクグループは、「出資しているのは事実だが、金額や出資比率については非公開」としている。ソフトバンクグループは、2016年7月にホンダと提携。対話用の人工知能(AI)技術の開発を共同で進めるなど、自動運転分野に力を注いでいる。エヌビディアへの出資で、同分野での事業拡大につなげたい考えだ。GPU(画像処理プロセッサー)大手のエヌビディアは昨今、自動運転分野で存在感を強めている。同社が提供する「DRIVE PX」は、独アウディや独ZFなどが採用。2017年5月10日には、トヨタ自動車との協業も発表した。DRIVE PXは、自動運転を実現するソフトウエアやハードウエアを備えたプラットフォーム。自動車メーカーはDRIVE PXを採用することで、自前で開発するよりも低コストかつ短期間で自動運転車を開発できる可能性がある。ソフトバンクグループは取得済みのエヌビディア株を、サウジアラビアなどと発足した10兆円規模の「SoftBank Vision Fund」に移管するとみられる。同ファンドは、IoT(インターネット・オブ・シングズ)を始めとするテクノロジー企業への投資を目的としており、サウジアラビアのパブリック・インベストメント・ファンドのほか、米アップルや台湾フォックスコン・テクノロジー・グループが出資する。2017年5月20日には、930億ドル(約10兆4000億円)の出資コミットメントを取得して、初回の募集を打ち切った。今後6カ月以内に、合計1000億ドルのコミットメントを取得することを目標にしている。

参考:ソフトバンクが米エヌビディアに出資 自動運転にアクセル 

2017年6月:ボストン・ダイナミクス/シャフト

2017年6月、ソフトバンクはボストン・ダイナミクスの買収を完了しました。詳細については、以下のプレスリリースをご覧ください。

ソフトバンクグループ株式会社(以下「SBG」)は、Alphabet Inc.(以下「Alphabet」)傘下のロボティクス分野のパイオニアであるBoston DynamicsのSBG子会社による買収合意についてお知らせします。本取引は、パラダイムシフトに関わるテクノロジーへの投資ならびにスマートロボティクスを次の段階へ推し進めるという当社のビジョンに沿ったものです。本取引条件の詳細については非公表です。ソフトバンクグループ株式会社 代表取締役社長の孫 正義は、次のように述べています。「今日、人間の能力では解決できない数多くの課題が存在します。スマートロボティクスは情報革命の次のステージの重要な推進役であり、また、Boston Dynamics創業者のMarcとそのチームは、最先端のダイナミックなロボット分野における明確なテクノロジーリーダーです。私は彼らをソフトバンクファミリーに迎え入れることができ感激しています。ロボティクス分野を発展させ、生活をより快適・安全に、またより充実させることができるような活用方法を探求し続けるBoston Dynamicsをサポートしていくことを楽しみにしています」Boston Dynamicsの創業者でありChief Executive OfficerのMarc Raibertは、次のように述べています。「Boston Dynamicsは、次世代の技術革新を創造するソフトバンクの大胆なビジョンとポジショニングの一部として参画できることをうれしく思います。また、われわれは、技術の進化は人類のためにあるべきというソフトバンクの信念を共有しています。そして、高度なロボットが活躍できる領域を広げ、よりスマートでよりつながったネットワーク社会において有用な活用方法を創造することを使命として、ソフトバンクと協力していきたいと考えています。また、Alphabetとの本取引の一環として、二足歩行ロボットを開発する日本企業のSchaftを買収することにも合意しています。Schaftは、2012年に東京大学の情報システム工学研究室で設立され、共同創設者の中西 雄飛氏、浦田 順一氏、鈴木 稔人氏、西脇 光一氏のリーダーシップのもと、継続して先駆的な実績を重ねてきました。

参考:ソフトバンク、Boston Dynamicsの買収に合意

個人的な見解・考察

個人的な見解・考察は以下の通り。

  • ソフトバンクはAI(人工知能)分野を注力分野の一つと位置づけており、AI人材からすれば、ソフトバンクへの転職は良いオポチュニティとなり得る
  • 今後、ソフトバンクに追随する形で、多くの日本企業がAI分野への取り組みを本格化させる
  • AI人材の需要がますます高まることが予想され、適切なスキルセットを獲得しておけば、将来的な市場価値の向上が期待できる